2015年11月23日月曜日

透視図法(パース)の概念を1から理解する

絵を描くための消失点の打ち方についてのサイトは多くあるが、そもそもの消失点をどうしてその場所に打つのかという理論的なことについて書かれたサイトは見つからなかったのでそのようなサイトを作ってみる。

このサイトで透視図法について理解できれば、同じ紙面に方向が違う直方体2つを描くときはどのように消失点を打てばいいかわかる。
(同じ紙面に方向が違う直方体2つを描く時の消失点の打ち方はスクロールすれば見られます。)


-----------------
スポンサードリンク

-----------------


・透視図法とは?

まず、消失点を理解する前に透視図法ってなんぞやというところから始める。

透視図法とは、視点の前に置いた投影面に、それを透過する光を写し取ることである。
(wikipediaより)


下の図を見てほしい。































一番左に卵、一番右に目、そして真ん中に紙面がある。この紙面に透視図法で卵を描きたい。そんな時、卵を構成している点と、目を直線に結び(この直線は図の青い線)、その直線と紙面が交わる点を紙面上に描写していく(図の紙面上にある黒い点)。描写していくと、紙面上に卵が描けている(図の赤い線)。

これが透視図法である。


・消失点とは?

消失点は、透視図法で直線を描く時に出てくる概念である。消失点を理解するために、透視図法で卵を描いたときと同じように、直線も透視図法で描いてみよう。

























一番左にある直線を透視図法で描くと上のようになる。(紙面上の赤い直線が透視図法で描いた直線である)

それでは、一番左にある直線が紙面から離れた方向に延長させたとして、延長した直線を紙面上に描いてみよう。


























延長した直線のある1点と目を直線で結び、その直線と紙面の交点を描写しているが、延長した直線の紙面からより離れた1点をどんどん選んで同様のことを行うと、透視図法で描かれた紙面上の直線は、ある点にものすごく近づいたとしても絶対に辿り着くことができない。その点が消失点である。

そして、その消失点は、「延長した直線と平行でかつ目を通る直線」と、「紙面」が交わる点である。

要は、延長した直線の紙面からより離れた1点をどんどん選んでその点と目を結んだ直線は、だんだん「延長した直線と平行でかつ目を通る直線」に近づいていくけれど、「延長した直線」と、「延長した直線と平行でかつ目を通る直線」は、互いに平行で永遠と交じり合わないので、消失点を超えて透視図法で直線を描くことはできないのである。

・消失点を使って直方体を描く

先ほど透視図法で描こうとした一番左の直線と平行な直線も透視図法で描こうとしたら、その直線の消失点は同じ場所に存在する。(これは今までの説明でわかると思う)。下図では、紙面上の赤い直線と黄色の直線が同じ消失点になっている。


























そうすると、平行な直線を透視図法で描こうとする時、それぞれの直線の消失点を同じ場所に打てばいいことになる。

このことを使って、地面に垂直に立てられた紙面に地面に置かれた直方体を透視図法で描く時の消失点の打ち方を考えてみよう。(これは、2点透視図法)

感覚として、下図のようになる。

























紙面の奥にある直方体を紙面上に描くとして、まず、直方体を構成する直線のうち直線1と直線2を考える。直線1と平行で目を通る直線と紙面の交点で消失点1を打つ。また、直線2と平行で目を通る直線と紙面の交点で消失点2を打つ。消失点1と目を通る直線と、消失点2と目を通る直線は、直角となる(対象が直方体なので)。また、消失点1と消失点2はアイレベルと呼ばれる紙面上の緑の直線の上に乗っている。アイレベルは、地面と平行でかつ紙面に載っており、かつ、地面からの高さは目の地面からの高さと一緒である。

そして、消失点1と消失点2に向かって直線を描くと、紙面上に描く直方体を構成する直線の一部となる(赤い線が紙面上に描いた直方体である)。

お絵かきサイトでは、アイレベルを描いて消失点を2点打って、それに向かって直線を描けば直方体が書けますよと言っているが、その大元となる考えはこれである。



-----------------
スポンサードリンク

-----------------
・同じ紙面に方向が違う直方体2つを描く時の消失点

ここからも地面に垂直に立てられた紙面に地面に置かれた直方体の話。

1つの直方体をお絵かきする時は、アイレベル上に消失点を2つ適当に打って描けばそれっぽく直方体が描ける。でも、同じ紙面に方向が違う直方体2つを描く時は、適当に消失点を打つと違和感が出てしまう。

先ほどの章で直方体を描くときの消失点の打ち方を説明する時に、目と消失点1を結ぶ直線と目と消失点2を結ぶ直線は直角になると話した。これは、方向が違う直方体でも成り立つ話である。

これを考慮すると・・・





















1.まずアイレベルを描く(緑色の直線)
2.アイレベルの下に目を描く
3.アイレベル上に適当に消失点1を置く
4.目と消失点1を結ぶ直線と直角となり目を通る直線を描き、その直線とアイレベルの交点が消失点2である。(太い青い線を参照)
5.消失点1への直線と、消失点2への直線で直方体を描く(赤い線を参照)
6.アイレベル上に適当に消失点3を置く
7.目と消失点3を結ぶ直線と直角となり目を通る直線を描き、その直線とアイレベルの交点が消失点4である。(細い青い線を参照)
8.消失点3への直線と、消失点4への直線で直方体を描く(茶色の線を参照)

これで、同じ紙面に方向が違う直方体2つが描ける。



0 件のコメント:

コメントを投稿