2025年4月25日金曜日

原作②

 「風と太陽@甲子園」

ここは、甲子園。甲子園の上空には、風と太陽の2人。

風「あー、毎日毎日退屈。面白いことないかな?」

太陽「甲子園で高校野球が始まるよ」

風「高校野球は、もう毎年毎年で飽きた」

太陽「うーん、結構面白いんだけどなあ」

風「そうだ。面白いこと思いついた」

風「私と太陽で高校野球でどっちが勝つかを予想して、負けた方がこの世からいなくなるという勝負をしないか?」

太陽「ほう、いいのか?私は高校野球マニアだぞ」

風「それでもいいよ。しかも、先にチームを選んでいいっていうハンデもつけてあげる。太陽が先にチームを決めていいよ。私はその相手を選ぶ」

太陽「ほう、なら普通に強いチームを選ぼう」


そして、高校野球が始まる。

1回表。太陽が選んだチームは、まずは守備から。


その瞬間、風は上空から強烈な風を吹かせる。風向きは北から南――つまりホームベースから外野方向へと吹きつけていた。


ピッチャーが投げたボールは風に押され、球速が落ち、まるで打ちごろのような球になる。

バッターが打った打球はフライ気味だったが、風に乗ってぐんぐん伸び、そのままスタンドへ――ホームラン!


太陽「おい風、それって反則じゃないのか?」


風「ふふん、何でもありだよ。ルールなんてない。太陽も、できることがあるならやってみなよ?」


はたして太陽は、この風のイカサマ(?)にどう立ち向かうのか――

そして命を懸けた勝負の結末は……?

原作①

『合理的生物と非合理的生物』

宇宙人3人組は、宇宙船に乗って銀河を旅していた。

その途中で地球を発見し、上空から探査を開始する。すると、彼らの文明にとって非常に価値のある金属が地球に豊富に存在していることがわかった。

しかし、生物調査の結果、地球には高度な文明を持つ生物 ――すなわち「人間」―― が生息していることが判明する。

金属の採掘を進めるには、彼らは邪魔な存在だった。

宇宙人たちは地球を乗っ取る計画を立て、人間の文明を調査することにした。

彼らは地球から発信されている電波を受信し、テレビ番組などを通じて人間社会を観察する。

最初の印象は、「たいしたことない文明だ」というものだった。

例えば、地球の交通システムは非効率的で、渋滞が頻発していた。

一方、宇宙人たちの文明では、個々の乗り物はすべて中央のAIによって管理されており、目的地を入力するだけで高速・安全に移動できる仕組みになっている。

「これなら簡単に地球を乗っ取れそうだ」と思ったその時、あるテレビ映像が流れる。

爆発によって多数の人間が命を落とす映像だ。

明らかに、飛行機から意図的に投下された爆発物によるもので、破壊力は凄まじい。

宇宙人A:「なんだこれは……! うちの文明にはこんな威力の爆発物はないぞ。これで攻撃されたら我々はひとたまりもない!」

宇宙人たちは一転して怯え始める。

宇宙人A:「この爆発物を使っている生物は、我々よりも進んだ軍事技術を持っている。どんな種族なのか、調査が必要だ。」

調査の結果、その爆発物を使っていたのも「人間」だった。

宇宙人A:「同じ種族同士で殺し合うなんて、信じられない……。人間とは、なんて非合理的な生物なんだ!」

宇宙人B:「非合理な種族だからこそ、殺し合うための爆発物に関してだけは文明が進化したのでしょうね。」

宇宙人A:「だが、そんな人間たちと直接戦って地球を奪うのはリスクが高すぎる……」

宇宙人B:「でも、一つ方法があります。」

宇宙人A:「なんだ?」

宇宙人B:「地球の調査によると、“選挙”という制度で統治者が選ばれています。もし我々がその“選挙”で選ばれれば、爆発物も合法的に手に入れることができるようです。」

宇宙人A:「なるほど……。それで、“選挙”とは何だ?」

こうして宇宙人たちは、“選挙”という人間のシステムを理解するため、日本の国会議員選挙に立候補することを決めた。

はたして、彼らは非合理的な人間たちに「選ばれる」ことができるのか――?