2021年6月27日日曜日

JK建設(2話)有名でない建設物(エネルギー関連)

 




<解説>

水封地下岩盤タンク方式では、わざわざ水を地中に注入している(高圧状態を保つため)。






















<解説>

地中熱利用には、オープンタイプとクローズタイプの2つがある。

オープンタイプは漫画のように、地下水をくみ上げて、地下水の熱を利用することである。熱を利用した地下水は、そのまま地上に捨てたり、地下に戻したりする。

揚水(水をくみ上げること)するから地盤沈下や周囲の井戸枯れ、低温水の引き寄せによる農業への影響、周辺に土壌汚染した土地がある場合は地下水の移動による土壌汚染地域の拡大を心配する必要がある。

クローズタイプは、地中と地上を閉じた回路でつなぎ、回路の中を水や不凍水が循環することで、地中の熱を地上で利用する。





















<解説>

原子力発電は、昼夜を問わず一定の電力を出力する。しかし、電力の使用量は昼が多く、夜は少ない。そのため、夜に電気のエネルギーを貯蔵し、昼に電気のエネルギーを出力できると、無駄に昼のピークに合わせて原子力発電で電力を出力する必要もなくなる。

CAES(compressed air energy storaged 圧縮空気エネルギー貯蔵)ガスタービン発電システムとは、夜中は地中タンクに空気を圧縮し、昼間に圧縮した空気を圧力解放したことにより低圧の方へ空気を移動する駆動力でタービンを回し発電する。

ドイツやアメリカにはCAESによる発電所が運用されている。これらの発電所は、岩塩層内に建設されている。岩塩層は水で溶かすことで空洞を作ることができ、岩塩層の緻密性によってそのまま圧縮空気を岩盤中に漏出することなく空洞内に保存できる。

しかし、日本は岩塩層が存在しない。そこで地下深くの堅い岩盤に空洞を作り、高圧の地下水で岩盤に圧縮空気を漏出させないシステムが提案されている(先ほど説明した水封地下岩盤タンク方式の石油備蓄と同じようなシステム)。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejjournal1994/123/5/123_5_284/_pdf/-char/ja

ちなみに、夜に電力のエネルギーを貯蔵し、昼に電力を出力するシステムとして、水力発電がある。夜のうちに電気を使って水を高いところに移動させて、昼に水を高いところから低いところに移動する駆動力でタービンを回して発電する。

また、昼に電力を使わず、夜にだけ電力を使うものとして、夜の間だけ電力を使って冷やす自動販売機がある。




















<解説>

・日本のお話

日本は、地層処分場の建設位置は決定していない。一応、2020年に北海道寿都町と神恵内村で地層処分場に適した地質かどうかの調査段階に移行した。なお、この件で寿都町では町長宅が放火されてる。

・北欧のお話

フィンランドとスウェーデンの北欧の国では、地元住民の受け入れもあり、地層処分場の建設場所は決定している。建設場所が決定した理由をNHKは下記URLのように分析している。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji88/


・アメリカのお話

2002年に、連邦議会(日本の国会みたいなもの)でネバダ州に地層処分場を建設することが決定した。でも当のネバダ州は建設に反対だった。

なお、この後のオバマ政権で、ネバダ州の地層処分場の建設の話は撤回された。


JK建設目次(建設の学習漫画)




0 件のコメント:

コメントを投稿