・表面張力とは
表面張力とは、表面をできるだけ小さくしようとする性質のことである(参照:wikipedia 表面張力)。
例えば、蛇口から出る水は表面をできるだけ小さくしようと球になることがあげられる。
・表面張力の物理
液体は分子が凝集している状態である。
なぜ、凝集しているかと言うと、液体を構成している分子はファンデルワールス力なり水素結合なり、別の分子と互いに引き合う力(分子間力)を持っているからである。
ポテンシャルエネルギーの観点で凝集している理由を言い直すと、
分子同士が互いに引き合う力を持つということは、2つの分子を見たとき、分子同士が離れている状態はポテンシャルエネルギーが高い状態で、分子同士がくっついてる状態はポテンシャルエネルギーが低い状態である。そして、すべての分子同士のポテンシャルエネルギーの和が一番低い時が安定した状態であるので、分子はなるべく別の分子とくっつこうとする。
ところが、分子が別の分子とくっつくことができない部分が必ずできる。それは凝集している液体の表面である。表面にある分子は、表面の部分で別の分子とくっついておらず、表面の部分で別の分子がくっついていると仮定した時よりもポテンシャルエネルギーが高い。
そのポテンシャルエネルギーが高い部分をあまり作らないようにしようと、凝集している液体はなるべく表面積を小さくしようとする。これが先ほど説明した表面張力である。
この表面張力を表す量としてγがある。これは、ある単位面積あたりの、分子がくっついてないことによるポテンシャルエネルギー量である。凝集している液体の表面積をSとすると、表面の分子が別の分子とくっつかないことによるポテンシャルエネルギーの総和はγSとなる。
γの値は、物質によって違い、油は、γ~20mN/mで、水は水素結合により引き合う力が強くなるので、γ~72mN/mである。
・ラプラスの圧力不連続性
水が空気中を浮いているとして、水側からの水と空気の境界面の圧力pwと、空気側からの水と空気の境界面の圧力paに差が存在する。この差を水が球の場合と、水と空気の境界が任意の面の場合の2通りで求める。
まず、水が球の場合を考える。
半径Rの球の水があり、水側からの水と空気の境界面の圧力pw、空気側からの水と空気の境界面の圧力pa、水と空気の境界面に働く表面張力の量をγとする。そして、水を空気側にdR分を動かす仕事を考える(図は下にある)。その仕事量をdWとして、
dW=-pwdVw-padVa+γdA
dVwは、水の増加体積で、dVaは、空気の増加体積で、dVw=-dVa=4πR2dR
また、dAは境界面の表面積の増加分でdA=8πRdRである。
力学平衡状態であるとき、dW=0なので、
Δp=pw-pa=2γ/R
次に、水と空気の境界が任意の面の場合を考える。
水と空気の境界面の一部分を見ると、曲率半径はR1とR2であり、その部分の表面積SはR1dθ1R2dθ2である(下図:この面は長方形と考える。図では曲がった面に見えるが、dθ1とdθ2が微小なので、ほぼ長方形と言っていい)。そして、境界面の下側が水、境界面の上側が空気として、水を空気側にdR動かした時の仕事dWを考える。
水が球の時と同様に考える。水側からの水と空気の境界面の圧力pw、空気側からの水と空気の境界面の圧力pa、水と空気の境界面に働く表面張力の量をγとして、
dW=-pwdVw-padVa+γdA
表面積の増加分dAは、
dA=(R1+dR)dθ1(R2+dR)dθ2-R1dθ1R2dθ2=(R1+R2)dRdθ1dθ2
(4次微小量は消している。)
水の体積増加分は、
dVw=-dVa=R1dθ1R2dθ2dR
力学平衡状態であるとき、dW=0なので、
Δp=pw-pa=γ(1/R1+1/R2)
もう一つの解き方も存在する。
というより、もう一つの解き方の方がメジャーかもしれない。
その解き方は、
http://www.agr.hokudai.ac.jp/env/soilamelio/teambibai/soilwater/retentio/3tension/laplace/laplace.htm
である。(こちらではγがσになっている)
こちらでは、境界面の一部を切り取った微小長方形の辺LにγLの表面張力が働くことを既知としている。
ちなみに、ある単位面積あたりの、分子がくっついてないことによるポテンシャルエネルギー量のγと、境界面の一部を切り取った微小長方形の辺LにγLの表面張力のγが同じ理由は、下のリンクに書かれている。
http://www.agr.hokudai.ac.jp/env/soilamelio/teambibai/soilwater/retentio/3tension/intro/tension.htm
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これは、wikipediaと「表面張力の物理学」を参考にして作りました
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