2015年5月25日月曜日

ベルヌーイの定理

ベルヌーイの定理は、

外力のない非粘性・非圧縮性流体定常な流れに対して

\frac{1}{2}v^{2}+\frac{p}{\rho}=constant

流線上で成り立つという定理である。

(vは速度、pは圧力、ρは密度、constantは一定を意味する)


この式はナビエストークス方程式から導かれる。
自分もそれを導出する計算をしたことはあるが、
なぜ成り立つか感覚的によくわからなかった。


なので、感覚的に理解してみる。

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まず、上の図の左の方に密度ρで、横、縦、高さがΔx、Δy、Δzの直方体がある。
この直方体の質量はρΔxΔyΔzである。
(Δx→0、Δy→0、Δz→0とする。)

また、この直方体は、時刻tに
y方向にもz方向の速度がなくx方向にvxの速度で動いているとする。

そして、x方向の圧力勾配は∂p/∂xとすると、

直方体の左面からの圧力をpとしたとき、
右面からの圧力はp+(∂p/∂x) Δxとなる。

ここでしようとしていることは、
Δt秒後のこの直方体の速度と圧力の値を求めて、
時刻tと時刻t+Δtで、
\frac{1}{2}v^{2}+\frac{p}{\rho}=constant
が成り立つことを図を見ながら計算する。(Δt→0とする。)


時刻tでは、密度がρで、速度がvxで、圧力がpであった。

時刻t+Δtでは、時刻tより直方体がx方向にvxΔt移動しているので、
時刻t+Δtでの圧力は、p+(∂p/∂x) vxΔtとなる。

そして、時刻tで左面と右面の圧力差によって、直方体に力が働く。
その力は、-∂p/∂x ΔyΔzであり、運動方程式より、
-(∂p/∂x) Δx ΔyΔz/(ρΔxΔyΔz)=-(∂p/∂x) /ρの加速度が生じる。

これを使うとΔt秒後の直方体のx方向の速度は、
vx-(∂p/∂x) /ρ Δtとなる。


y方向にもz方向にも圧力差で速度が生じるようになり、
Δt秒後のy方向の速度とz方向の速度はΔvy,Δvzとする。
(Δvy→0、Δvz→0)

ここで、時刻tと時刻t+Δtでの\frac{1}{2}v^2+\frac{p}{\rho}を計算する。

時刻tでは、
\frac{1}{2}v_x^2+\frac{p}{\rho}

時刻t+Δtでは、
\frac{1}{2}[(v_x-\frac{\frac{\partial p}{\partial x}}{\rho} \Delta t)^2+\Delta v_y^2+\Delta v_z^2]+\frac{p+\frac{\partial p}{\partial x}v_x\Delta t}{\rho}

Δtの2乗やΔvyの2乗やΔvzの2乗は非常にに小さいので無視してしまって
\frac{1}{2}v_x^2-\frac{1}{2}\cdot 2v_x\frac{\frac{\partial p}{\partial x}}{\rho} \Delta t+\frac{p}{\rho}+\frac{\frac{\partial p}{\partial x}v_x\Delta t}{\rho}=\frac{1}{2}v_x^2+\frac{p}{\rho}

時刻tも時刻t+Δtでも、\frac{1}{2}v^2+\frac{p}{\rho}となるので、

流線上で、\frac{1}{2}v^2+\frac{p}{\rho}が成り立つといえる。
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