2015年4月19日日曜日

遠心力の理解

遠心力の理解の前に、まず、運動の第一法則を復習する

運動の第一法則は、
「すべての物体は、外部から力を加えられない限り、
静止している物体は静止状態を続け、運動している物体は
等速直線運動をしつづける」

物体に力を加えない限り、その物体は等速直線運動をしつづけるということは、
等速直線運動をしつづけない時は、物体に何かしら力を加えられているということだ。

円運動はもちろん等速直線運動ではないので、
外部からなにかしら力が加えられているということになる。

例えば、物体をひもにくっつけてぶんぶん回す円運動の場合は、
ひもが物体を引っ張る力が、円運動するための外部からのなにかしらの力である。



円運動をするにはなにかしらの外部の力が必要だとわかったので、
次は、遠心力についてである。



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遠心力は慣性力の一種である。
(慣性力についてはコチラ)

円運動の外の静止座標系から見た運動方程式を
円運動している座標系で見たときも成り立つようにしたのが遠心力である。
(遠心力は、物体にかかる加速度とは逆向きとなる。)
(遠心力は円運動だけじゃなく、直線運動から外れた運動だったらあるものだけど
ここでは円運動ということで話を進める)




最後に遠心力の計算である。

ある時間の円運動している物体の速度ベクトルはv(t)
それからΔt秒後の物体の速度ベクトルはv(t+Δt)とする。
また、円運動の軌道の円の半径をr、
Δt秒の間に動く角度をΔθとしたとき、

























Δt秒の間の速度ベクトルの変化は、
Δtが非常に小さいとき(Δt→0)、
v(t+Δt)-v(t)=|v(t)|Δθ×(-e)
eは、v(t)に垂直で円の外方向の単位ベクトル、単位ベクトルとは長さが1のベクトル)
 (本当に速度ベクトルの変化がe方向かどうかとかはこのページの後の方に記述)

また、Δt秒の間の速度ベクトルの変化をΔtで割ったのが加速度ベクトルとなるので、
v(t+Δt)-v(t)=a(t)Δt

ゆえに、a(t)=|v(t)|Δθ/Δt ×(-e)
そして、遠心力は加速する方向と逆方向になることを考慮して、
ma(t)=m|v(t)|Δθ/Δt ×eとなる。

Δθ/Δtは角速度で、これに円の半径rをかけたら物体の速度となるので、
|v(t)|=rΔθ/Δt

遠心力は、ma(t)=m|v(t)|Δθ/Δt ×e=mr(Δθ/Δt)2×e=m|v(t)|2/r×e
とも表せる。


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遠心力の計算の補足

下の図より、加速度ベクトルをxy座標で表すと、
a(t) =(-|V(t)|tanΔθ/Δt+LsinΔθ/Δt, LcosΔθ/Δt)となる。
(x座標はeと同じ向き)

























L(図のAC)は、|V(t)|tanΔθsinΔθより小さいので、L<|V(t)|tanΔθsinΔθ
(V(t)とV(t+Δt)の長さが等しいので⊿ECBは二等辺三角形
∠EBA=90°、EはACの延長線上、∠BDA=90°、DはECの線上となるように、
点Aと点Dを打ったとき、∠ABD=Δθ/2,∠ABD=Δθで、L=AC<AD=|V(t)|tanΔθsinΔθとなる。)

Δt→0の時、tanΔθ→tan(Δθ/Δt×Δt)Δθ/Δt×Δt
sinΔθ→sin(Δθ/Δt×Δt)Δθ/Δt×Δt
ゆえに、Δt→0の時、|V(t)|tanΔθsinΔθ/Δt|V(t)|Δθ/Δt×Δθ/Δt ×Δt→0
L<|V(t)|tanΔθsinΔθなので、Δt→0の時L/Δt→0

ゆえに、Δt→0の時、a(t)(-|V(t)|tanΔθ/Δt, 0)(-|V(t)|Δθ/Δt, 0)





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