「風と太陽@甲子園」
ここは、甲子園。甲子園の上空には、風と太陽の2人。
風「あー、毎日毎日退屈。面白いことないかな?」
太陽「甲子園で高校野球が始まるよ」
風「高校野球は、もう毎年毎年で飽きた」
太陽「うーん、結構面白いんだけどなあ」
風「そうだ。面白いこと思いついた」
風「私と太陽で高校野球でどっちが勝つかを予想して、負けた方がこの世からいなくなるという勝負をしないか?」
太陽「ほう、いいのか?私は高校野球マニアだぞ」
風「それでもいいよ。しかも、先にチームを選んでいいっていうハンデもつけてあげる。太陽が先にチームを決めていいよ。私はその相手を選ぶ」
太陽「ほう、なら普通に強いチームを選ぼう」
そして、高校野球が始まる。
1回表。太陽が選んだチームは、まずは守備から。
その瞬間、風は上空から強烈な風を吹かせる。風向きは北から南――つまりホームベースから外野方向へと吹きつけていた。
ピッチャーが投げたボールは風に押され、球速が落ち、まるで打ちごろのような球になる。
バッターが打った打球はフライ気味だったが、風に乗ってぐんぐん伸び、そのままスタンドへ――ホームラン!
太陽「おい風、それって反則じゃないのか?」
風「ふふん、何でもありだよ。ルールなんてない。太陽も、できることがあるならやってみなよ?」
はたして太陽は、この風のイカサマ(?)にどう立ち向かうのか――
そして命を懸けた勝負の結末は……?